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──────────────────────── 2003年12月16日  第8号
┌──────┐┌┐
│ ┌──┐ │└┘  ミ シ ン の 『 そうだったのか! 』
└┬┘  │ │        〜 ミシンの嘘・ホント、それって常識?!
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▼ 目次
    ●ごあいさつ
    ●「自動糸調子だから」と頼りすぎて大丈夫? 

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 ■ごあいさつ
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  いつもご愛読いただいているみなさん、こんにちは。
  そして今回からお読みいただいているみなさん、はじめまして。
  島田ミシン商会の嶋田栄司です。
  数あるメルマガの中から選んでいただき、ありがとうございます。

  このメールマガジンは、
   これからミシンを購入したい、
   ミシンのことをもっと知りたい、
   もっと上手に使いこなしたい…

  そんなホームユーザーのあなたが、誤った知識で後悔しないように、
  ミシンの嘘・ホントの解明を通して、ミシンの常識や活用のヒントをお伝
  えしていきます。

  このメールマガジンが何かの役に立って、今まで以上にホームソーイング
  を楽しんでいただけたら最高です。
  気に入っていただけましたら、お知り合いに転送してすすめてくださいね。

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 ■ 「自動糸調子だから」と頼りすぎて大丈夫? 
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  2回に渡って、JUKI(株)さんの自動糸調子機能開発経緯を掲載しました。
  いかがでしたでしょうか?

  布厚と糸の動きからコンピューターで演算処理した理想の上糸量を、いくつ
  もの部品で制御しています。「自動糸調子です」って言われて納得できる内
  容ですよね。

  今や実売5〜6万円の家庭用ミシンでも「自動糸調子で、面倒な糸調子もら
  くらく!」なんて書かれています。この自動糸調子機能が作られたのが、か
  れこれ18年も前の事ですから、今はさぞや進歩して価格も安くなっているだ
  ろう…と思っていました。

  しかし、そうではなかったんです。
  価格相応の自動糸調子機能になっているんです。

  製造コスト自体が違うから販売価格も違うわけで、当然といえば当然なので
  すが、ユーザーが「判って使う」のと「判らないまま使う」のでは意味が違
  います。

  低価格帯家庭用ミシンの自動糸調子の仕組みはどうなっているのか、
  その違いを押さえて、ミシン選びと使用に活かしましょう。

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  現在、JUKI(株)さんの代理店向けに実用縫いの中心(刺繍機能を持たない
  ミシン)の最上位に位置するモデルの自動糸調子機構を見てみましょう。

  このミシンで利用されている自動糸調子の原理は、
  『糸の太さにより個々に張力を確保する』です。

  一般的なミシンの糸調子器は、太糸から細糸まで、太さや素材・性質の違う
  糸に対し、1つの糸調子器で調子を出しています。自ずと限界がありますか
  ら、複数(ここでは計4個)の糸調子器で管理するのです。


  1.ベーステンション
    糸の撚りが糸道に入らないように、ここで撚り取りを行う「撚り戻し」
    の役目を担っています。

  2.プリテンション
    太糸(30番)に対応しており、太糸にのみ張力を与えます。太糸の場合
    は、プリテンションとメインテンション、第2テンションの3つの糸調
    子器の張力がかかります。

  3.メインテンション
    基本的に細糸(80〜100番)に張力を与え、手動張力調整機能も持って
    います。

  4.第2テンション
    中間の太さ(50〜60番)の糸に対応しています。中糸には、メインテン
    ションと第2テンションの、計2つの糸調子器の張力がかかります。


  要するに、ユーザーが厚い生地には太い糸、薄い生地には細い糸、と使い分
  けていない限り、自動糸調子の仕組みは働かないのです。

  極端な話、厚地を80番の細い糸で縫ったら、自動糸調子が機能しなくても当
  たり前であって、故障でも自動糸調子の精度が悪いわけでもありません。

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  また、比較的安価な機種に装備されている自動糸調子は、プリテンションと
  メインテンションの2つしか装備されていなかったり、メインテンション以
  外を簡略化しています。

  もちろん、1つしか糸調子器がないよりミシンよりは糸調子が取りやすくな
  りますし、無いよりは合った方が良いのは間違いありません。

  このような仕組みですから、
  「自動糸調子なんだから、もう煩わしい思いをしなくていい!」
  なんて、安易に言えませんよね。

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  しかも、繊維素材は日進月歩の状態。

  同じ素材名でも質はピンキリですし、何よりミシンは繊維の後を追っかけて
  いる状況です。「このミシンで楽に使える繊維を開発しろ」みたいな形では
  ありません。『最初に繊維ありき』なんです。

  だからこそ、手動調節機能があります。
  家庭用ミシンはロックミシン(縁かがり縫いなどの専用ミシン)など以上に
  扱える布や糸が多いですから、外してしまうことができないのです。

  実際、取扱説明書には書かれないものの、ユーザーの好みに合わせた糸調子
  に再設定できるように、メインテンションにはダイヤルメモリの再設定機能
  がついていたりします。

  忘れてはいけないのは、自動糸調子なんだから、自動と書いてあるところに
  しておければ縫えるのではなく、「素材の厚さや糸の種類、太さに合わせて
  メインテンションのダイヤルを調整しなければいけない」ことです。

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  こうした仕組みの違いを知ってしまうと、初心者にとって使いやすいかどう
  かを考えた場合、「安いミシンで十分」と簡単に言えません。

  逆に、初心者にとって、素材に合わせた糸調節の難しさが壁になる限り、使
  える自動糸調子が搭載されたミシンであれば、例え高額でも価値があると言
  えます。

  これも極端な例ですが、前回のメルマガで紹介したような自動糸調子が搭載
  されているミシンが刺繍機能を搭載したミシンにしか無い場合、「刺繍機能
  はいらない」と言った時点で、使える自動糸調子のミシンを最初から手放し
  ていることだってあり得るのです。

  まぁ、いらないものはいらないんですけどね(苦笑)


  しかし、価格さえ高いミシンを選んでおけば大丈夫かと言えば、そうは言え
  ないところが困ったところです。

  中には販売店独自のオリジナルミシンを持ち込むことで、レギュラー商品
  (全国共通でどこの販売店でも扱えるミシン)では10万円前後でも、20万、
  30万近い定価を付けて「実際の価値よりも高く販売されているミシン」が存
  在します。

  価格相応の価値があるかどうか判断できるようになるためには、もっとたく
  さんの情報が必要です。


  次回は、機能だけでは語れない違いについて触れてみたいと思います。

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ミ シ ン の 『 そうだったのか! 』
 〜 ミシンの嘘・ホント、それって常識?!

【発行者】島田ミシン商会 嶋田栄司
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編┃集┃後┃記┃
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  ハッと気がついたら、上映が終わってました(泣)→「キル・ビル」

  高松にもワーナーマイカルの映画館ができて以来、
  快適に観られるんで、映画に行くのが楽しみのひとつになってます。
  時間が無くて、終わり頃に慌てて行くんですが。

  あと、DVD。
  あれだけきれいな画像で観られる上に、
  「これは子供が観るから、吹き替えで借りなあかんのかぁ」
  などと、ぼやかなくてよくなったこと。
  これは画期的でした。

  この前も「燃えよドラゴン」のDVDソフトが980円!
  迷わず買っちゃいました(笑)

  そんなこんなで、我が家ではビデオからDVDに移行し始めた1年でした。

  新しく買い換えさせられても、
  より快適な状況になったから、まぁ納得してます。
  というか、楽しみが増えました。

  しかし、ミシン業界に目を向けると、
  ビデオからDVDへの変化みたいな画期的なものって思いつかないんですよね…
  なんか無いかなぁと思う今日この頃です。


  最後までお読みいただき、ありがとうございました。
  今年は今号が最後です。来年は1月20日の発行予定です。

  ちょっと早いですが、新年もどうぞよろしくお願いします。
  みなさま、よいお年をお迎えください。
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