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──────────────────────── 2004年12月28日  第21号
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│ ┌──┐ │└┘  ミ シ ン の 『 そうだったのか! 』
└┬┘  │ │        〜 ミシンの嘘・ホント、それって常識?!
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▼ 目次
    ●ごあいさつ
    ●まっすぐ縫えない、糸調子が取れない…(その3)

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 ■ごあいさつ
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  いつもご愛読いただいているみなさん、こんにちは!
  そして今回からお読みいただいているみなさん、はじめまして!
  島田ミシン商会の嶋田栄司です。
  数あるメルマガの中から選んでいただき、ありがとうございます。
  今後ともご愛読をお願いします。

  このメールマガジンは、
   これからミシンを購入したい、
   ミシンのことをもっと知りたい、
   もっと上手に使いこなしたい…

  そんなホームユーザーのあなたが、誤った知識で後悔しないように、
  ミシンの嘘・ホントの解明を通して、ミシンの常識や活用のヒントをお伝
  えしていきます。

  このメールマガジンが何かの役に立って、今まで以上にホームソーイング
  を楽しんでいただけたら最高です。
  気に入っていただけましたら、お知り合いに転送してすすめてくださいね。

  ▼バックナンバーはこちら
  http://www.shimada-mishin.com/mailmag/backnum.html

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 ■ まっすぐ縫えない、糸調子が取れない…(その3)
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  ミシンの事なんて何も知らなかった私は、JUKI(株)の工場で、ロックミシ
  ンの試縫い課に回された時、
   ●まっすぐ縫えない!
   ●糸調子が分からない!
   ●まともな縫い見本が付けられない!
  レベルでした。

  姿勢を直され、なんとかまっすぐ縫えるようになったものの、糸調子がちん
  ぷんかんぷん。糸色を変えたり、ほどいたりしながら、理想の糸調子を知る
  ことで、ダイヤル数値にこだわらずに糸調子が取れるようになりました。

  ▼前号までの内容
  http://www.shimada-mishin.com/mailmag/backnum/20041026.html
  http://www.shimada-mishin.com/mailmag/backnum/20041130.html


 ◆ 何でこんなに、糸通しがややこしいのか

  やっとまともな試縫い片をつけられるようになったところで、ある疑問がわ
  いてきました。

  みなさん、思ったことありませんか?
  「なんで、上に行ったり、下に行ったり、こんなにややこしく糸を通さない
  といけないんだ?」と。

  ロックミシンだと、さらに糸を通す順番まであって、あっちに行ったり、こっ
  ちに行ったりが非常に多い。間違ってると糸が切れたり、縫い目が飛んで縫
  えなかったり。ごく一般的な本縫いミシン(ボビンを使うミシン)でも、行っ
  たり来たりがあります。

    ※)この糸が通る経路を「糸道」と言います。ちなみに、ミシンの回転
      と共に動く糸道を「糸捌き」と呼びます。

  工業用ミシンにはサブクラスといって、縫う物によって部品や調整値が違っ
  ています。同じ部品を使っていても、糸道の位置を変えなければいけなくて、
  それぞれに規定値があり、一覧表がないとさっぱり分からない状態でした。

  なんで全部一緒じゃダメなのか、そもそも何で変える必要があるのかが分か
  りませんでした。そこで営業所での勤務経験がある主任さんに尋ねてみまし
  た。


 ◆ 糸調子を変えるのは糸調子ダイヤルだけではない

  糸道にはきちんと意味があって、ミシンの回転に合わせて、各縫い目に必要
  な糸量を調節しています。遠回りさせれば、それだけ使う糸が増えますし、
  近道させると使う糸が減ります。

  言い換えると、遠回りさせれば糸は緩むし、近道させれば糸が締まると言う
  ことです。近道させすぎると、糸が足りなくて切れてしまいますし、遠回り
  させすぎると、糸が余って締まりません。

  糸を緩めたり締めたり、状況に合わせて変えないと、ミシンは縫い目を形成
  することができません。これを理論的に調整する仕組みをミシンには持たせ
  ているのです。


  一般的な本縫いミシンを例にしてみましょう。糸調子ダイヤルのあとにも、
  糸取バネ(糸調子ダイヤルのすぐ横にあるバネ。最近の家庭用ミシンでは隠
  れていますが、必ず付いてます)を通り、天秤を通過したりと、いくつかの
  糸道と糸捌きを通過します。

  糸取バネの運動量、バネの強さでも糸調子は変わりますし、天秤の運動量で
  も、針の運動量でも糸調子が変わるのです。


  こんな話を聞いても、ハッキリ言って、ちんぷんかんぷんでした。
  「論より証拠でやってみろ、ちゃんと元に戻してやるから」という言葉をい
  ただいたので、一つずつ動かしては縫い、違いを調べていきました。

  変化の具合は様々で、何が変わったか分からないものもあれば、当時の私で
  もハッキリ分かるものもありました。

  ようするに、糸調子ダイヤルは、糸調子ダイヤルを通過してから先の糸の量
  を制限しているだけなんです。その後の経路によっても、糸の締まりや緩み
  具合を変えられると言うことを知りました。

  上に行ったり下に行ったりするのは、何も難しくしようとか、さも大変そう
  にしているわけではなかったのです。ちゃんと意味のあることだったんです。


 ◆ 針と糸、縫い目長さの関係を考えるだけでも違う

  ミシンに用意されている糸道だけが、糸調子に影響するのではありません。

  縫製工場に修理に行くと、様々な場面に出くわします。適応部品にちょっと
  交換すればうまくいくこともあれば、それでも物足りなくて、本来ならミシ
  ンそのものを変えないと…ということもあるのですが、調整値を変えること
  で望む結果が得られることもあります。

  例えば縫い目長さ。「送り締め」といって、布を送るだけでも糸締まりに影
  響します。糸の締まりが悪いとき、少し縫い目長さを長くするだけでも解消
  することがあります。

  使う糸や針の太さを替えるだけでも、見栄えに大きく影響します。

  針が開けた穴の中で、上下の糸が交差するのですから、太い糸になれば自然
  と、糸の太さ分の傾きが発生します。縫い目長さが短ければ目立ってしまい
  ます。

  さらに言えば、糸に対して針穴が大きければ、それだけバランスが悪そうに
  見えますし、生地厚が、使う糸に対して薄ければ、一生懸命糸調子ダイヤル
  を回しても、バランスが取れないように感じてしまいます。


  そもそも、生地はいろいろ換えるのに、針や糸、ミシンの調整はそのままで、
  糸調子だけでキレイな縫い目にしようとするから、キレイにならないとも言
  えるのです。

  もちろん、当てはまらないケースも多々ありますが、いろいろ試してから、
  ミシンに何か問題があるのかないのかを考えないと、いつまで経っても満足
  がいく縫い目のミシンに出会えません。

  布や糸など柔らかい物を相手にするのですから、使い手も頭を柔らかくする
  必要があります。

  私自身、誰かからただ教わっただけでなく、自分で体験し、その時々で悩み
  ながら解決策を探していったことで、糸調子の不安を解消することができま
  した。

  家庭向けに設計されたミシンでも、糸調子ダイヤル以外にできることがたく
  さんあります。既製品と違い、ホームソーイングは自由に変更できる利点も
  持っています。

  ミシンが悪いと考える前に、変えられることがあれば、どんどん試してみま
  しょう。その努力は、きっと何かの役に立つはずです。



  ◆ご意見・ご質問・体験談など、どんな些細なことでもかまいませんので、
   メールをください。おもしろいと思ったものは、このメルマガでご紹介し
   たいと思います。
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ミ シ ン の 『 そうだったのか! 』
 〜 ミシンの嘘・ホント、それって常識?!

【発行者】島田ミシン商会 嶋田栄司
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編┃集┃後┃記┃
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  2004年も残すところ、今日を入れてあと4日となりました。
  何か、あっという間の一年でした。
  これって去年のことだったんだ、と思うこともしばしば…(苦笑)

  一昨日のスマトラ沖地震といい、
  今年何度も起きた台風や地震災害の大きさといい、
  天災の恐ろしさを今まで以上に感じさせられました。

  当店も水害で被害を受け、倉庫の中は未だ完全復旧に至ってません。
  荷物の積み方から置き場まで、いろいろ試行錯誤しつつ対策を講じています。

  反面で、良い出会いや経験もたくさんありました。
  自分の心の中について、これまで以上に考えさせられ、
  糸口も得られた一年でした。
  全ての経験をひっくるめて、これからの自分に繋げていきたいと思います。

  本年もいろいろお世話になり、誠にありがとうございました。
  来年はもう一歩進めて、もっとミシンソーイングが楽しくなるように、
  少しずつでも、お手伝いさせていただければと思います。


  今回も最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
  次回は、1月25日の発行予定です。
  新年もこれまで以上のご愛顧を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
  皆さま、良いお年をお迎えください。
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