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────────────────────────  2005年11月8日  第28号
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│ ┌──┐ │└┘  ミ シ ン の 『 そうだったのか! 』
└┬┘  │ │        〜 ミシンの嘘・ホント、それって常識?!
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▼ 目次
    ●ごあいさつ
    ●本編記事を読む前に
    ●自動糸調子ロックミシンの開発秘話

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 ■ごあいさつ
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  いつもご愛読いただいているみなさん、こんにちは!
  今回からお読みいただいているみなさん、はじめまして!
  数あるメルマガの中から選んでいただき、ありがとうございます。
  島田ミシン商会の嶋田栄司です。

  このメールマガジンは、
   これからミシンを購入したい、
   ミシンのことをもっと知りたい、
   もっと上手に使いこなしたい…

  そんなホームユーザーのあなたが、誤った知識で後悔しないように、
  ミシンの嘘・ホントの解明を通して、ミシンの常識や活用のヒントをお伝
  えしていきます。

  このメールマガジンが何かの役に立って、今まで以上にホームソーイング
  を楽しんでいただけたら最高です。
  気に入っていただけましたら、お知り合いに転送してすすめてくださいね。

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  http://www.shimada-mishin.com/mailmag/backnum.html

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 ■ 本編記事を読む前に
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  ミシンは不定形の布や糸を扱う道具です。自分で調節できるのに越したこと
  はありません。ベビーロックの「糸取物語」シリーズは、糸調子ツマミのな
  い完全自動糸調子ということで、以前の私は販売することに一抹の不安があ
  りました。

  でも、実際に使ってみると、初心者が糸調子をとるより、かえってキレイに
  縫えています。

  何より、お客さまから「忙しくて、ほんとにソーイングの時間が貴重なんで
  すけど、糸取物語のおかげで、もう1着できあがったんですよ!」と聞いた
  ときには、本当に目から鱗でした。

  お客さまに、「それぞれの価値観で自分に合ったミシンを選んで欲しい」と
  強く思うようになったキッカケでもありました。

  今回の鈴木製作所訪問で、「完全自動糸調子を作ろうと思ったキッカケ」を
  佐久間氏から伺い、その思いを強くさせたのでした。


  また前置きが長くなってしまいました。早速いってみましょう。


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 ■ エアスルー糸通しの開発秘話
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  「赤ちゃんも生まれたことだし、私もミシンで何か作りたいな」
  エアスルー糸通しを開発した佐久間氏は、孫のために縫い物をしたいという
  娘に、発売されて間もない衣縫人を買ってあげた。

  しばらくすると、糸調子が合わなくなったと言ってミシンを持ってきた。
  見てみると、上ルーパー糸のバランスが崩れていただけだった。

  「私達は糸調子が狂っていても、元に戻すのに5分と掛かりません。
   でも、慣れていないお客様には、たいへんではないかと思ったのがキッカ
   ケでした」
  佐久間氏は、自動で糸調子を取る機能の研究を始めた。


 ◆ 糸調子を狂わせる犯人は…

  その後も娘は、たびたび「糸調子が合わなくなった」と言ってはミシンを持っ
  てきた。何度も持ってくるものの、ツマミを回せば糸調子が戻る状態で、ミ
  シンは故障していない。状況を確認してみると、孫が糸調子のツマミを回し
  てしまうことが原因だった。

  「糸調子ツマミの無いミシンを作れば糸調子は崩れない、と考えたんです。
   その頃はまだ、そんな物が本当にできるのか、自信はありませんでしたが
   (笑)」


 ◆ 糸調子皿は使いたくない!

  全てのミシンは、2枚の糸調子皿で糸を挟み、ツマミに付けたバネで糸調子
  皿に圧力を掛けている。その摩擦で糸に張力を与え、糸の供給量を制限する
  ことでバランスを取る仕組みになっていた。衣縫人も同様の仕組みを採用し
  ている。

  糸調子皿にかかる圧力をあらかじめ設定し、スイッチで圧力を切り換える機
  構を試作した。しかし、糸調子皿で挟むことで糸に張力を与える方式には限
  界があった。

  糸の太さが変わっても、当然、再調整しなければならない。
  そればかりか、同じ太さの糸でも、色が変わると糸調子が変化する。
  温度や湿度さえも関係してくることがある。
  切換スイッチの設定が増え過ぎては難解になりすぎる。

  当時、家庭用ミシンでは、コンピューターとセンサーを利用して、糸調子も
  自動で取るミシンが作られるようになっていた。しかし、ロックミシンは糸
  の本数も多い。全てに電子センサーを設けていては販売価格が高くなり、現
  実的とは言えない。

  「微調整が必要な機構では、糸調子ツマミを無くすことができません。
   従来のツマミの調節を置き換えたものではなく、全く別の方法で糸調子を
   取らなければ、どんな生地にも対応する完全自動糸調子はできないことを
   実感しました」


 ◆ 簡単に新しい方法は見つからない

  そうはいっても、簡単に新しい方法は見つからない。
  縫い糸に一定間隔で印を付けては切り出し、ほどいて長さを測る作業を繰り
  返した。前進がないまま、いろいろな縫い目を眺める日が続いた。


  ある日、バランスの悪い縫い目を調べていると、一針ごとの縫い糸量が変わ
  ることに気が付いた。その仮定に立って測定していくと、糸の締まり具合と
  糸量の変化に法則が見えてきた。

  「一針ごとに必要な糸の量を繰り出せばバランスが取れると考えたのです。
   糸量の加減に、従来の糸調子皿を使う方法は、最初から考えませんでした」


 ◆ 「蓄糸器(ちくしき)」の誕生

  最初に、ロータリー方式で必要な糸の量を繰り出す機能を試作した。糸を通
  して縫ってみると、予想通り、バランスの取れたきれいな縫い目を形成した。

  しかしこの方式では製作に手間が掛かる上に、耐久性が期待できない。
  量産性や耐久性を兼ね備え、巻きロックなど、各種オーバーロックで縫われ
  る縫い目に対応できる構造にしたい。

  そこで今度は、各糸の経路に天秤機能を設けて、近道をさせたり、遠回りを
  させたりすることで、必要な糸の量を繰り出す「蓄糸器(ちくしき)」を開
  発した。

  送り量や切り幅(かがり幅)、布厚に加え、右針、左針に対応して制御でき、
  糸の種類や太さに関係なく、きれいな縫い目ができるように、何度も調整と
  改良を重ねた。ついには、デニム6枚からティッシュまでを続けて縫えるま
  でになった。

  画期的な糸通し機能の「衣縫人」発売から5年後の1997年、糸調子ツマミが
  ない完全自動糸調子の「糸取物語」が発売された。


  …その後も、第一糸案内の改良するなどで、さらに糸調子を安定させた。
  地元大学教授が、実験で糸に等間隔で印を入れて縫ったところ、印が均一に
  並んだ状態で縫い続けられたほどである。

  蓄糸器自体もさらに機能を増やし、家庭用ロックミシンでは世界初となる
  「ウェーブ縫い」ができるまでに発展させた。

  鈴木製作所は新製品ばかりではなく、従来商品にも、随時改良を反映させて
  いる。



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   たいと思います。
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ミ シ ン の 『 そうだったのか! 』
 〜 ミシンの嘘・ホント、それって常識?!

【発行者】島田ミシン商会 嶋田栄司
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編┃集┃後┃記┃
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  健康グッズって、ほんと、たくさんあるもんですね。
  体調を崩すと、酒が悪い、タバコが悪い、椅子が悪い、枕が悪いだのと
  いろんな話が出てきて。

  そんでもって、ゲルマニウムのブレスレットがいいとか、
  前方に傾いた椅子は姿勢が良くなってどうとか、
  足ツボがどうしたこうした、
  鍼だの接骨院だの…。

  あーだこーだ言われると、だんだん自分も自信がなくなってきて、
  気にするようになってきたり。

  でも、どれもたいした効果は感じられないんですよね。

  それより、病は気から、と言うし、
  へたに健康を気にするほど、逆に悪くなるんじゃないかと。
  「自分は健康だ!」「普通にしていれば、病気もそのうち治るやろ」
  ぐらいに思って過ごしてる方がいいんじゃないかと。

  何事も考え方次第かな、と納得するようにしてます(笑)


  今回も最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
  快く取材に応じてくださいました(株)鈴木製作所さんと、
  (株)ジューキさんに感謝しております。ありがとうございます。

  メルマガの年内発行予定は、今号までです。
  また、折を見て発行できたらと思いますので、のんびり見守ってくださいね。
  それではまた。
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