テープがねじれたり、パンク(縫い外しのこと)したりと、ラッパでの縫製にはトラブルが発生することが多々あります。 下送りか差動上下送りかなど、ミシンの選定から考える必要がありますが、選択肢が他にないときもあるでしょう。 事前に予測できるトラブルが回避できるよう、ラッパを選ぶ際に最低限知っておくべきポイントを解説します。
- テープとバインダーの形状が合っているかどうか
先のコラムでも述べましたが、 伸びの有無や腰などテープの性質や、 直線だけか、インカーブもあるのか、 などで、テープを送る方向(ラッパの形状)も影響します。
- テープ素材の性質と合っているかどうか
さらに、同じ伸縮素材対応としているカノコバインダーでも、 厳密にはメリヤステープ用とバイアステープ用で違います。 バイアステープにも伸縮があると言っても、メリヤステープと同等ではありません。
- テープなどの幅に合っているか
1つのラッパで、1つの仕上がり幅(バインダーなら、テープの幅)にしか対応できません。
例えば36mmのテープを10mmに折りあげるバインダーがあったとして、 それに30mmのテープを入れて8mmに折ろうとしても、 中で動いてしまって、きれいに折れません。逆も同じです。 - テープなどの厚さに合っているか
もちろん、薄地テープと厚地テープでは、同じ幅のテープでも、折り曲げ具合が変わってきます。 特に市販品には、想定してある厚みのテープがあります。
想定されたものより厚い場合は、テープが入らなかったり、伸びたり、仕上がり幅が小さくなったりします。 逆に想定してあるものより薄いと、シワやネジレの原因になります。 - 押え金が仕上がり幅に合っているか
バインダーの口から、できる限り近い位置に針落ちがあるのがベストです。 専用のバインダー用押えなどを使用するのはもちろんのこと、押え金の幅とテープなどの仕上がり幅に大きなズレがあっては、 カーブなどの縫いやすさに大きく影響を受けます。
また、バインダーの場合は身頃の生地厚も考慮しなければなりません。 バインダーの口金の高さも、仕上がりに大きく影響を受けます。
同じラッパでどれもこれも対応させることは不可能です。
これから縫おうとする素材や工程に合った形状と性質のラッパを選定することが第一歩です。 もしくは、そのラッパで縫える素材を使用することです。
あまり使い慣れていない方は必ず知識のある方に相談してから購入なさってください。