縫製工場などで使用される工業用ミシンは、職業用ミシンよりも更に専門性を高めています。 外観は同じでも部品をいくつも組み替え、薄物用、厚物用、ニット用など様々なバリエーションが存在します。
具体的には、針、針棒、釜、針板、送り歯、押え圧バネ、糸取りバネ、糸調子バネなどを組み替えてます。 更に、それぞれに適した調整もしています。
さらに革などの極厚物は、送り方式から全く違う専用の工業用ミシンで縫っています。 縫製物に合わせたミシンで縫っているから、既製品はキレイに縫えているのです。
けして、1台で何でも縫っているのではありません。職業用ミシンは家庭用ミシンと違い、製造メーカーが違っても、ある程度規格が統一されています。 押え金など豊富な工業用ミシンアタッチメントを流用することができます。 針板など各機種の専用部品においても、針穴径を変えた部品が用意されていたりします。 うまく活用すれば作品の質がどんどん向上します。
とはいえ、職業用ミシンは普通地用に調整されたミシンです。 厚物縫いには厚物縫いの、薄物縫いには厚物縫いの調整ノウハウがあります。 ただミシンに頼って縫っているだけでは、使いこなすことができません。
ユーザーが調整方法などを正しく知ることで、もっと素材に合わせた対応ができるようになります。 布や糸についても関連性を持った知識があれば、様々なトラブルを自ら回避できる確かな基礎となります。
専門知識を豊富に持つ販売店を味方につけることで、自身の知識を増やし、作品の質を一層高めることができるようになります。