家庭用ミシンの糸調節は、2種類に分類されます。 一つは『糸調子標準』と呼ばれるもの、もう一つは『自動糸調子』と呼ばれるものです。 一般に『自動糸調子』は比較的高額のミシンに搭載されています。
『糸調子標準』と呼ばれるものは、ある特定の糸で普通厚地を縫ったときにバランスがとれている範囲を『標準』としています。 どの糸を使用するか、どの太さを使用するかはメーカーごとで違うかもしれませんが、 一般に60番のスパン糸を使用し、ある糸調子の圧力の範囲を『標準』としています。 布や糸の素材や厚み(太さ)が違う場合は、調節する必要があります。
『自動糸調子』の仕組みも意外に簡単です。 表に見える所の調節可能な糸調子の他に、見えないところに数個、別の糸調子を搭載しています。
たとえば、90番の細い糸の時には表に見えるの糸調子ひとつだけ、
60番の標準的にな糸の時には、表の糸調子と、もうひとつの糸調子、
30番の太い糸の時には、3つ全ての糸調子を使用することで、
糸の太さがかわっても糸調子ダイヤルに触らず、糸調子が取れる仕組みになっています。
バネ式のテンションが加わっていたり、押えの上昇量から設定する物もあるようですが、 布素材まで考慮できるわけもなく、完全自動にまでは至っていません。
『自動糸調子』は『糸調子標準』よりも精度が高い糸調子、ぐらいに考えていただくのが適当です。
間違っても、ダイヤルの『自動』の位置でないと合わないなんて考えないように!!
合っていないと思ったら、上糸調子をダイヤルで調整してください。